二〇一九【元旦】

2019年1月5日

新年あけましておめでとうございます。

5月には新しい元号に移ろう二〇一九年、消費税増税や歯止めのかからない少子高齢化など日本酒、アルコール飲料業界には依然として厳しい時代において、前向きで活発に進化する地酒の新しい価値観や嗜好の多様化を享受し、魅力溢れる市場を持続する事が大切なのではと感じています。酒屋八兵衛としては新酒鑑評会への出品に挑戦し酒造りの精度を高める事、そして昨年同様自然農作での米作りに挑戦し続け、大台町柳原の環境を表現した唯一無二の酒造りを目指す事。このベクトルの異なる2つの価値観をミックスさせたその先に生ずる可能性を探求したいと考えています。

さて新年も始まったばかりで先の話をするのは憚られますが、来年2020年中には弊社近隣の勢和多気ICに接続する形で食と健康をテーマにした農場型商業施設「アクアイグニス」のオープン予定があり、有名レストランの誘致も決まっている事などから伊勢観光を軸としたオプショナルツアーの1つとして東海・関西地域からの集客が見込まれます。
また、同じく2020年秋には大台町の道の駅に隣接する形でマリオット系列のロードサイドホテルが開業予定です。これは地方創生プロジェクトの一環として自治体と大手民間企業が連携した事業となっており、このホテルを拠点として自然を楽しむアクティビティのPRや開発が行われるとのことです。こちらは地方の山間部でよりローカルな日本を感じたい外国人観光客や、自転車・登山など専門性のある趣味を楽しむお客様への訴求が見込まれます。

今春にはミシュランガイドの東海地域特別版が出版され、三重県内、特に伊勢志摩のホテルやレストランにもミシュランのブランドがつきます。

これらのトピックにあやかり、アクセスの悪い過疎地の酒蔵だった弊社が認知度を高められるチャンスが訪れます。
地域に根差した嗜好品として認知されるためには酒蔵の立地環境やそこで育まれた文化、特に郷土食などの食文化に紐付けされるよう発信し、実際に体感してもらう事が最善。「観光地にある酒蔵」になるのではなく、「酒蔵のある場所が観光地となる」ような夢を持っておりましたが、まさかこんな素晴らしい出来事に恵まれるとは思いもよりませんでした。

人の流れがこちらに向くこの幸運な風に乗れるよう、しっかり準備をしておかなければというところが二〇一九年の抱負です。

本年も弊社社員一同、どうぞ宜しくお願い致します。